読書感想文を巡る息子との攻防を救ったTwitter(2017年夏)
息子の読書感想文がまったく進みません。
課題図書はとある戦国武将の伝記です。
息子は戦国時代が好きなので、相性のいい宿題になるはずでした。
たまたま「嫌いな武将」なのです。
仕方なく嫌々そうに伝記を読み、下書きを書きました。
見せてもらったところ、古い順に出来事を並べた挙句、
「すごい武将でした。」
と終わらせています。
「読書感想文になってない!」と叱るのは簡単ですが、ではどうすればいいのか。
去年までのぼくだったら困惑したかもしれません。
でも、今年は違います。
Twitterのおかげです。
読書感想文のヒントになるtogetter
幸いなことに、このtogetterを読んだばかりだったのです。
この教頭先生のように、息子の「ある戦国武将が嫌い」という気持ちを大切にしてみます。
嫌いな戦国武将とは
この戦国武将は、よく3人を対比して紹介される武将の一人です。
- 武将N:天下統一の途中で家臣の裏切りによって亡くなる。
- 武将H:Nの家臣として立身出世。N亡き後、後継者として天下統一を果たす。
- 武将I:伝記の武将。当初、Nとは同盟関係。N亡き後、Hの家臣的役割に。H亡き後、Hの勢力を滅ぼし、天下統一を果たす。
天下統一を志すだけあって、どの人物も個性が強く、好き嫌いはあるでしょう。
まずは息子が武将Iを嫌う理由を聞いてみます。
息子との対話
ぼく「どういうところが嫌いなの?」
息子「負けそうだったらがまんして、勝てそうになってから相手を滅ぼしたから。卑怯だよ。」
歴史的に見れば、相手に勝てる状態を作るというのは極めて妥当な考え方です。
ぼ「もし自分が武将Iだったらどうするの?」
息「Hがいるときに戦うよ。」
ぼ「それはいつ?」
息「うーん。Nは絶対だから逆らえないんだよなあ。」
ぼ「絶対ねえ。」
息「KNの戦いの後、S攻めの前。このときなら反Hの武将もまだたくさんいる。」
ぼ「どう戦うの?」
息「S攻めに向かっているところを背後から襲う。」
おい!それって卑怯なんじゃない?
その後、どの武将が味方になるかなど、仮想戦史シュミレーションのようなことをして、息子の読書感想文は完成しました。
Tweetに感謝です。
読書感想文を書くためのおすすめリンク
東大の中原先生が読書感想文にまつわる体験を紹介しています。
NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する: 読書感想文とは、いったい「何」で、どのように書いたらよいのか?
今から考えてみますと「読書感想文」というものが、そもそも「何」で、「何を期待されている文章」なのかが、そもそもわからなかったような気がします。オヤジやオフクロにきいても、「はてね?」という感じだった。
読書感想文に正解めいたものがあるのか、悩ましいところです。
数年前のこのTweetで紹介された、読書感動文のテンプレートにもびっくりしました。
うちの小3生が持っていた読書感想文のテンプレ。今日の昼間に採点していた一般教養の授業の答案(文学部の学生はほとんどいない)の中に、このテンプレで書いたような文章はかなり多かったような気がする。「読書感想文」の呪縛恐るべし。。 pic.twitter.com/LKrOmYKOic
— yujiohara (@yujiohr) 2015年8月11日
放課後の一言
もし「読書感想文とは何だろう?」と考えるところまでが宿題だったら、また別次元の宿題になるでしょうね。