窓から緑が見える(渋谷三丁目で働くかたへ)
先日書いたとおり、会社が引越しました。
隣の隣のビルへ。距離の引越の大変さは関係なく、引越前の最終日と、週明けの当日(今日)はバタバタしています。
おかげで、書類や資料の類をごっそり捨てられました。
実は、ぼくにはミニマリストのセンスがあったのかも(嘘八百)。
渋谷のど真ん中、とまでは言わないものの、旬な街、渋谷です。
すごいオフィスビルを想像したかた、すみません。
いわゆる雑居ビルです。
というわけで、新オフィスのある渋谷三丁目を紹介します。
金王八幡宮
渋谷氏が城を築いたところから、「渋谷」が始まったと言われています。城の石垣の一部も残っています。金王八幡宮は、秩父から移築してきたそうです。
昼休みはPokemon GOにハマってる人が通りに並んでいます。特定のポケモンが出現するのでしょうか。
この記事が詳しいです。
www.omote-sando.info追加(2018.5.17)ポケモンGOおじさんのニュース
昼の食事処(唐揚げ2選)
ちょうどこちらの引越に合わせて(もちろん無関係)、小樽ザンギの店「NARUTO KITCHEN」がオープンしました!
早速、ランチに行ってみました。
昼の小樽ザンギ定食は850円。ご飯はジンジャーご飯と白米から選べます。
肉厚で大きな唐揚げが4つでかなりのボリュームがあります!
渋谷三丁目の鶏の唐揚げバトルは、並木橋の居酒屋「なかよし」が最強でしたが、強力なライバル出現です。
鶏の唐揚げ以外も、気が向いたら紹介します。
カフェ
渋谷三丁目は、カフェの宝庫です。
明治通り沿いには、
渋谷駅の新南口近くには、
- ドトール
- ペローチェ
があり、ヒマつぶし、人と話す場所には困りません。
なかでもおすすめは、ドイツが誇る部品メーカー、ボッシュのカフェ「cafe 1886 at Bosch」が最高です。
特に、ここのサンドイッチが半端ありません。すごいサバを使った、アトランティックは一度食べると、三回は食べたくなる(私だけか?)代物です。
ゆったりとしたスペースに、ドイツから輸入したアンティーク、無料Wifi(60分)など、快適です。
病院
幸い、病院にあまり縁がないのですが、一か所だけ紹介します。
整形外科
リハビリのスタッフのかたが親切でした。
驚いたことに「渋谷三丁目」で検索すると、渋谷三丁目クリニックという「ED( Erectile Dysfunction、勃起障害)」に特化した病院が最上位に表示されます(2018年5月14日時点)。
www.shibuya3clinic4men.com渋谷三丁目には、ストレスで疲れた男性が多いのでしょうか…。
薬局
実は、ドラッグストアトモズが強力です。
薬局といいつつ、飲料やお菓子類、軽食は、コンビニより安く、種類も豊富です。
トモズにはポイントカードがあって、いつも発行を進められて断ってきました。囲い込み施策ってどうも苦手で…。
しかし今日の店員さんは素早かった…。
店員さん「ポイントカードはお持ちですか?」
わたし「持ってません。」
店員さん「今日はポイント2倍デーなので、作っておきますね。」
ピッ!
わたし「(えっ!)」
店員さん「ありかとうございました。」
まとめ買いした炭酸水には、ポイントカードと入会申込書が…。
や、やるなあ…。
そのほか渋谷三丁目にあるものとないもの(多分)
あるもの
警察署…渋谷警察署があります。
ないもの
書店…先日、山下書店渋谷南口店が閉店し、なくなりました。
映画館…南口方面にはありません。
以上、引越先の渋谷三丁目の紹介でした。
地域の情報があれば、また紹介します。
書評を書けなくて「○○」と「○○」を読んだ(書評ライティングVol.2 読む工夫)
書評を書くには、まず本を読まなければなりません。
読書は好きなので苦にならないのですが、一文が長い、前置きが長い、説明がまわりくどい本は苦手です。
何が言いたいのかわからず、読書力が尽きてしまいます。
でも、あるものを読んだらかなり改善されました。
「目次」と「要約」を読むようにしたのです。
なぜ、目次と要約を読んだら書評が書けるようになったのか、説明します。
眠れないときは、難しい本を読めばいい。
そんな話を聞いたことありませんか?
書評サイトのライターなのに、眠気に勝てないマーケターの河原塚です。
わたしが難しいと思う本の共通点は、
- 一文が長い(翻訳本は、関係代名詞のせいかもしれませんが)
- 前置きが長い
- 説明が回りくどい
私の読解能力が低いだけかもしれませんが…。
書評サイトのライターたるもの、どんな難解な本でも諦めるわけにはいきません。試行錯誤の上、2つの対策で、難しい本に限らず、読書が楽になりました。
結論です。
「目次」を読んで構造を理解し、「要約」で他人の読解力を借ります。
というわけで、書評ライティング・シリーズ第二弾は、読み方の工夫として「目次」と「要約」の活用方法を紹介します。
「目次」は頼れる地図
読書が難航する理由の一つは、読んでいても本がどこに向かってるか、わからないときです。
深い森をイメージしてください。
あなたは森を抜けようとして、足早に奥へ向かいます。
しばらく歩いたら、分かれ道に出くわしました。
行く先を示す立て札を見る限り、右に向かうのが妥当そうですが、左のほうは見通しが良さそうです。
こんな時、地図があれば…。
そうなんです。
本にはありがたいことに「目次」という名の地図がついています。
すぐに森に踏み込まずに、しっかり目次に目を通すのです。
こんなヒントを予め知っていたら、深い森=難しい本にも足を踏み入れられます。
- 全体でどれくらいの難所があるのか(章立て)
- どんな名所や名物があるのか(見出し)
- 自分の興味がある場所があるか(キーワード)
最近の本には、章ごとのまとめがついてることもあります。
ところどころ休憩して装備を確認しつつ、進めるのです。
具体的には、「目次」を三度声を出して読み、気になる箇所にふせんを貼っておきます。
わかりづらい箇所があれば、目次に戻り、どこに向かってるのか、確認しながら読んでいます。
一方、ときどき「目次」があっさりしていたり、逆に難解なときもあります。
そういうときは、奥の手を使います。
「要約」は頼れるベテランガイド
地図である「目次」はしっかり読み込んだはず。
でも「目次」が省略しすぎていてわけがわからなかったり、森があまりに深くて身動きができないこともあります。
森をすでに踏破したベテランガイド「要約」に頼る時です。
要約は、全体の構造を地図以上にわかりやすく説明してくれます。
ビジネス書の要約サービス・要約サイト
現在、ビジネス書の要約を提供するサービスがあります。
本の要約サイト flier(フライヤー) 有料(一部無料でも閲覧可能)
「BOOK-SMART」ブック・スマート | 厳選新刊ビジネス本の要約・書評サイト 有料
ビジネス書の書評・要約まとめサイト bookvinegar-ブックビネガー 無料
見知らぬ土地や異国を旅するなら「地図」や「ガイド」に頼るのは当たり前です。
同じように、初めての本を読むなら「目次」や「要約」を頼りにしてみてはどうでしょうか?
書評を書くには、まず本をしっかり読むことから始まります。
捨てられない男と呼ばれて(渋谷三丁目ストーリー)
私の勤務先は東京都渋谷区にあります。
渋谷駅新南口から歩いて数分の駅近です。
今週末、オフィスが引越します。公式には「本社移転」と言います。
捨てられない男と呼ばれる私にとって、かなりの試練です。
捨てられない男と呼ばれて
未練と言われたらそうかもしれません。
ですが、一度会った相手から受け取ったものを無下にはできません。
と言っても、企画書や提案書、パンフレットですけど…。
※「捨てられない」というキーワードで、恋愛ものを期待した方すみません。当方、その手の話は皆無です。
え?欠片も期待してない…ですか…。
引越の極秘命令50%
自分の荷物はもちろん、所属部門の共有の荷物、とにかく運搬しやすいようダンボールに詰めます。
ついでに、いままでなんとなく所持していた書類を捨てまくります。
職場で「捨てられない男、No.1」の異名を持つ私には、荷物を50%以下にするよう極秘命令が下されていたからです!
自分の貴重な資料は減らせない!と抗議してもよかったのですが、従順な中年社畜はおとなしく片付けます。
引越経験豊富な同僚から徹底指導を受けた結果、
という見事な結果になりました。おそらくダンボール10箱分の荷物が、5箱になったのです!ぴったり50%!
今後は「引越の達人」を自称するつもりです。
荷物を減らす技トップ3
試行錯誤の果てにあみ出した、荷物を減らす技を紹介します。
- 半年以上前の日付の書類は捨てる→どうしても残したいとのはスキャンするつもりでしたが、一枚もありませんでした。
- 書類はカテゴリー分けする(社内、取引先、他社)→クリアファイルがごっそり減って、書類の厚みが一気に薄くなりました
- コンビニでもらった割り箸やスプーンは捨てる→またもらえるから
たったこれだけで、荷物はごそっと減りました。
さて引越といえば、荷物が減る以上の大イベントがあります。
それは「別れ」です。
引越のだいご味「別れ」
引越の当日、常連になった定食屋でお昼を食べながら、店員さんに言うシーンを想像してました。
「いままでありがとうございました。実は会社が引越することになって…」
「えー、寂しいです。どこに引越すんですか?」
なんてやりとりが起こるはずでした。
現実は、
「いやあ、引越すといっても、隣の隣のビルなんだよね。住所も「○丁目○番○号」の「○号」しか変わらないんだよ。」
店員さん沈黙。
というわけで、さよなら渋谷三丁目、はじめまして渋谷三丁目。
横浜駅の工事とエキナカ写真展【都市の記憶】(漫画『バンビーノ』から)
横浜駅で乗り換えようとして、壁の前で動けなくなりました。
目の前の老女を、知っていたからです。
密かに漫画好きなマーケターの河原塚です。
漫画『バンビーノ』はマーケティング漫画
ぼくがマーケティング漫画として紹介する作品のひとつが、イタリアンの料理人を目指す若者を主人公にした漫画『バンビーノ』(作者・せきやてつじ、小学館)です。
第一部が料理人修業なのに対して、第二部では主人公が新店舗のマーケティングに奔走します。なかでも、店を盛り上げるために助けを求める、伝説のサービスマン、ヤンさんがお気に入りです。
そのヤンのことを主人公に託すのが、ある老女です。
この写真の女性とそっくりなのです。
エキナカ写真展@横浜西口
現在、横浜駅はあちこちで工事しています。
その最中、壁面を利用して開催されているのが、
エキナカ写真展【都市の記憶】
です。
写真展は、横浜駅の西口近くの大きな壁2面が会場です。
撮影者は飯田修永氏。
平日の朝だと、50人に1人ぐらいは、足を止めて写真を眺めます。
こちらは階段上なので、あまり気づかれないかも。
写真は横浜市内の現在と過去
写真は横浜市内の現在と過去のある地点です。
- 旧三吉演芸場
- 南区横浜橋商店街周辺の風景(現在)
- 馬車道(現在)
- 解体されたバンドホテル
- メリーさん
- 海岸通団地
- 横浜市中央卸売り市場の裏からの風景(現在)
- 中華街(現在)
- 根岸競馬場
- スクラップ&ビルドを繰り返しながら歴史的建造物の保存を模索する北仲通地区(現在)
- 早朝の元町商店街(現在)
- リニューアル前の赤レンガ倉庫
- 都橋商店街(現在)
- 日劇
- 大野一雄氏
モノクロ写真ゆえに、「(現在)」の文字がなければ、過去のものかどうかの見分けがつきません。
あるいは、現在見られる風景も、いずれ【都市の記憶】になると言いたいのかもしれません。
なお、バンビーノにも登場するメリーさんは、実在した伝説の老娼婦。1995年にこつ然と姿を消したそうです。
このブログにも、都市の記憶を残しておきます。
横浜駅西口の工事風景
駅の出口近くから
西口方向を眺めても
南の方を向いても
北を向いても
とにかく工事中です。
2018年のGWの風景でした。
参考(漫画『バンビーノ』作者インタビュー、横浜駅の工事に関するニュース)
書評を書けなくて「○○」を読んだ(書評ライティングVol.1「型」のすすめ)
書評を書けるようになりたい。
ここ数年、ずっともがいてきました。文章術の本を何冊も読んで脱落し、書いてはボツにする繰り返し。
しかし、ある方法を試し、一気に楽になりました。
大量に「書評」を読んだのです。
なぜ、書評を読んで書評を書けるようになったのか、説明します。
こんにちは。書評はもちろん、日々文章を書けずに七転八倒しているマーケター河原塚です。
ところでこんな画像を見たことはありませんか?
(出典はこちらの記事です)
ビジネス書の書評サイト「美女読書」といいます。
現在、わたしはこの書評サイトにライターとして参加しています。
といっても、最初の半年間は、なかなか書評は書けず、月に1本書けたらいいほうでした。
どうにかしようともがいてもがいて、あるものを読んで一気に変わったのです。
2018年3月は、3本の書評を書けました。しかもその月のランキング(投稿数、PV数、シェア数の3部門)で高い評価を得たのです。
結論です。
書評を書けるようになりたくて、ひたすら「書評」を読んだのです。
そして自分にあった「型」を見つけて、書評を書けるようになりました。
書評は何を書くものなのか?
なぜ書評が書けないだろうか?という疑問から出発しました。
よく考えたら、そもそも「書評」は何を書くものか、わかっていなかったのです。
書評の目的はなんでしょうか?
ぼくは『本と読者との出会いを作る』ことだと思っています。
では、どうやったら読者を増やせるでしょうか?
何が書かれていたら、本を読みたくなるでしょうか?目次や要約でしょうか?
答えを探すために、 ひたすら書評を読みました。
ビジネス書を紹介しているウェブサイト
- 書評の記事一覧 | ライフハッカー[日本版]
- ダ・ヴィンチニュース | 読みたい本がここにある 文芸書が強いです
- HONZ - 読みたい本が、きっと見つかる! 蘊蓄が半端ないです
-
美女読書 当然ですね
書評が掲載されている非ウェブメディア
これらを使って、200冊以上の書評を読みました。
特に、ウェブサイト上の書評は、テキストをWordファイルにコピー&ペーストし、画像などを全て削除してから印刷。
プリントアウトした紙に、どんな内容が書かれているか、書き込んでいったのです。
次第に、自分自身が読みたい!書いたい!と思った書評の構造が見えてきました。
私が本を読みたくなる書評の「型」(2018年5月版)
導入
本のなかで特に印象が強かったシーンを描写
目的・背景
本が書かれた目的や背景(著者の紹介になることが多い)、誰に向けて書かれた本なのかを紹介
切り口・立場
どういう切り口や立場で書評を書くか宣言。
例えば、組織のマネージャーの視点から、というように。
本文
重要な箇所の引用と、その箇所について深堀り
この引用と深堀りを数回繰り返す
読後どうするか
今後、そして読後、自分は何をするか?何を変えるか?宣言
という「型」が、いまの自分が求める「書評」だと気付いたのです。
「型」が決まると楽になる
「型」が決まると、本を読む際に、アウトプットに必要な要素を選びながら読むようになりました。
情報を取捨選択する基準ができたので、じっくり読む箇所と、軽く読み飛ばす箇所を、すぐに判断できるのです。
おかげで、読む時間も短縮できるようになりました。
もし書評を書けずに困っている方は、まずたくさんの書評を読んで、自分にとって最適な「型」を探してみてはどうでしょうか?
次号予告
「型」以外のテクニックも、書評ライティングシリーズとして、数回に分けて紹介する予定です。
コンクールに挑むピアニストの敵はだれか?マーケティングから考える(漫画『ピアノの森』をヒントに)
「俺の敵は俺だった。」
ピアニストの世界を描いた漫画『ピアノの森』を知っていますか?
主人公の少年、一ノ瀬海(いちのせかい)が、初めて挑むピアノコンクールでこう言います。
「俺の敵は俺だった。モーツァルトは敵でも何でもなく、敵はピアノを弾くことだけに集中できない俺自身」と。
こんにちは。ピアノを聴くと猛烈に眠くなるマーケターの河原塚です。
紹介したセリフは、一色まことさんの漫画『ピアノの森』に登場します。
同作のアニメがはじまったばかりです。
この「俺の敵は俺だった」には、マーケティングにとっても重要なヒントがあります。
ピアニストの敵はだれ?
漫画のなかで、主人公はピアノのコンクール(小学生の部)に参加します。地方で開催される予選会です。成績によっては本選に進めるかもしれません。
演奏の前、彼の周りには、ピアニストを目指す演奏者がいます。なかには有名ピアニストの息子に対して嫉妬や敵対心を持つものもいます。
この場合、コンクールの参加者にとっての敵は誰でしょうか?
コンクールで「敵」というのは変なので、言い方を変えます。
もっとも重要なのは誰でしょうか?
- 他のコンクール参加者(特に、有名ピアニストの息子)
- コンクールの審査員
- コンクール会場に来場した聴衆たち
- 演奏曲の作曲家(このときはモーツアルト)
最初、モーツアルトを意識していた主人公は、演奏の途中、自分の敵は弱い自分と気づき、自分らしい演奏をして聴衆を魅了します。
さて、これをマーケティングの世界に応用してみます。
自社の敵はだれ?
あなたはある会社でマーケティングを担当しています。常日頃から情報収集が欠かせません。しかし、時間は限られています。
あなたはどの情報がもっとも重要だと思いますか?
- 競合他社
- 業界誌(年一回、優秀企業ランキングを発表します)
- 自社の顧客
- 潜在顧客
結論から言うと、自社を把握することが最重要だと私は思います。
まず、競合他社。気になります。ですが、がんばっても正確な情報は手に入りません(いわゆる合法的な範囲では)。自社の思惑とは関係なく動くでしょうから、常に後手に回ってしまいます。
次に業界誌。定期的に目を通せばいいでしょう。
続いて、自社の顧客。間違いなく重要です。マーケティング活動は、自社の顧客から始まると考えています。
そして、潜在顧客。よくリサーチの対象になりますが、リサーチの設計には十分な注意が必要です。
実は、情報の信頼性や網羅性から考えると、選択肢はあまりないのです。
自社をどこまで知っているか?
だから、主人公は言ったのです。
自分の敵は自分。
つまり、自社の敵は自社。
自社のことはわかっているのは当然と思うかもしれません。
でも、必ずしも現状を正確には把握できてないこともあります(私の経験上)。
- 自分たちの資産(アセット)は戦略に従って適正に配分できているか?
- オペレーションは円滑に行われ、顧客は快適な状況か?
- 顧客にとって、適切なタイミングで情報を提供できているか?
といった問いを、常に自らに問いかけるといいのではないでしょうか。
今回はピアニストの世界を描いた漫画『ピアノの森』をヒントに、マーケティングにおける情報の重要性についてご紹介しました。
私の転機は30代前半での転職 #わたしの転機
はてなブログは、ブログを書きやすくするために「お題」というテーマが定期的に設定されています。
今回のお題は「わたしの転機」。
社会人生活を振り返るのにちょうどいいので書いてみます。
30代前半の転職
やはり30代前半で転職したのが、大きかったです。
当時はB2B(法人向け)のマーケティングをしていました。ある情報サービスの企画や設計、ソリューションを組み合わせて付加価値を上げる提案を考える仕事です。
ユーザーへのヒアリングをもとに企画するのは楽しかったし、周囲のひとにも恵まれていました。特に不満はなかったのです。
なぜ、転職をしたのか?と振り返ってみると、もっと面白そうな気がしたからです。
転職先は、異業種からの参入で始まった新規事業であり、まだまだ組織もビジネスも固まっていない状態でした。妻以外の家族には相談せず、事後報告だったので心配もかけました。
そのとき、会社の先輩から受けたアドバイスを覚えています。
君は、転職先で仕事がうまくいかなくて苦しむかもしれない。
この会社ではうまくいったのにと思うだろう。
だが、この会社では何年もかけて築いた周囲との信頼関係に助けられているんだ。
もう一度、関係を築いていく覚悟をして、転職先でがんばるように。
実は、先輩自身も他の会社からの転職組で、苦労されていたのでアドバイスをしてくれたのでしょう。そして見事にアドバイスは的中します。
転職先での失敗
転職先は、事業開始から1年足らず。
マーケティング部門は、担当役員から管理職、現場まで合わせても数人。やることは無限にあります。
当初、転職したばかりの私に気を使ってくれて、前職での経験を活かせそうなプロジェクトを担当させてもらいました。
4月に転職して、数ヶ月で結果を出せると、気合を入れて取り組みました。
しかし、盛大に空回り。
スケジュールは大幅に遅れ、リリース予定は変更するかどうかの判断が必要なほど、状況は悪化したのです。
失敗の原因は、
- プロジェクトの趣旨や目的の説明不足
- 専門知識が異なる他のメンバーへの配慮なし
- サービスの仕様に関するロジカルな説明なし
などなど、どうにもならないほど、ひどいものです。
しかし、当時の私はまったく気づかず、なぜうまくいかないのか、悩みました。簡単なプロジェクトのはずなのに、なぜ進まないのだろうか、と。
救ってくれた天才ディレクター
プロジェクトには、社内の各部署のメンバーとともに、天才ディレクターが加わっていました。クライアント向けの競合コンペでは、連戦連勝という経歴の持ち主です。
悲惨な状況を見かねて、助け舟を出してくれました。
私へのヒアリングから、プロジェクトに必要な目的や趣旨を引き出してはドキュメントに可視化してきました。私と他のメンバーとの通訳になってくれたのです。
プロジェクトは一気に動き出し、当初の予定どおりにリリースできました。
後日、前職での先輩のアドバイスをしみじみと思い出したのです。
以来、プロジェクトマネージャーをする際は、他のメンバーからのヒアリングを重視するようになりました。
特に、プロジェクトの開始時点で、疑問に思うこと、懸念することを言ってもらうのです。
おかげで、プロジェクトの進捗は改善されました。いまでもこの時の自分の至らなさを思い返すようにしています。
なお、私を助けてくれた天才ディレクターは数年後に転職。やはり超大手クライアント向けの競合コンペで勝利し、数々のプロジェクトを成功に導いていると聞きます。
一緒に仕事をできて、たくさんのことを学ばせてもらって感謝しています。