映画『忍びの国』の主人公は日置大膳と思ったわけ(ネタバレあり)
息子と一緒に映画『忍びの国』を観た。
映画が終わったあと、息子は言った。
日置大膳がかっこよかったね。
主人公は嵐の大野智演じる凄腕の忍者、無門。
一方、伊勢谷友介演じる、日置大膳(へきだいぜん)は織田信勝の家臣の一人で、強弓の使い手。
実はぼくのなかでも日置大膳の印象が強かった。
なぜなら、悲劇を背負っていたからだ。
映画のなかの日置大膳(ネタバレあり)
伊勢谷友介さんの演技がいい
まず、伊勢谷友介がかっこよかったです。
引き締まった表情に加えて、戦国武将の出で立ちが決まっていました。
忍びの国における日置大膳殿。
— 真田 左衛門佐 信繁(九度山蟄居) (@saemonnosuK) 2017年7月7日
赤き甲冑に、鹿角(っぽい)脇立て、さらには用いたるは朱塗りの十文字槍。
どことなく、親近感。 pic.twitter.com/AjRT8YRilp
そして、映画のなかでのストーリーがまたいいのです。
日置大膳のストーリーがいい
もともと、北畠家の家臣だった大膳が、織田信勝の命により、主君北畠具教を殺害します。自分を引き立てた主君に刃を向けることに苦悩しながらも、最後は自らの手にかけます。
その後、織田信勝に仕えるのですが、主君のはずの信勝に対して、何度となく反対意見を出します。信勝といえば、天下統一に突き進む織田信長の次男であり、機嫌を損ないたくないと腰の引けた他の家臣とは全く違います。
そして、後半からは知略と強弓をふるって、忍者たちとの激しい戦いに身を投じていくのです。
苦しみからの再生、奮闘ぶりが、観客の気持ちをぐっとつかむのでしょう。
強弓を使うのがいい
刀や槍も使いますが、見所は強弓での無門との対決シーンです。
無門は、接近戦用の忍者刀や中距離兵器の手裏剣やクナイを使います。
日置大膳は、強弓をもって迎え撃ちます。
その勝敗は、、、。
まあ、実際の日置大膳がどうったかは置いておきます。
主人公無門との比較
一方、主人公無門は無表情で人を殺めるような、いわば殺人マシーンです。もちろん、女房のお国(石原さとみ)の尻に敷かれるような、間の抜けた一面はあります。
本来、二面性になるべき性格があまりに乖離していて、無門という一人の人間のなか両立する感じがしませんでした。
もしかしたら、原作『忍びの国』ではまた違う描かれ方をしているのかもしれません。
その点、日置大膳は悲劇に苦悩する姿など、とにかく人間的で魅了されました。
これから映画を見る方は、日置大膳の登場シーンにご注目ください!