月9にサピエンスものが登場する日は来るのか
最近、サピエンスものが増えている。
サスペンスではない、サピエンスだ。
例えば、このCM。
スマートフォンのGalaxyシリーズの最新機種が旧石器時代に現れる。
Galaxy「昨日までを、超えてゆけ #3 巨獣」篇(山﨑賢人主演テレビCM)
他にも続々とサピエンスものが登場している。
マーケターとしては動きが気になるので調査してみる。
- 2016年9月 ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』が発刊
- 2016年11月 「世界遺産ラスコー展」が国立科学博物館で開催
- 2017年4月 森恒二『創世のタイガ』がイブニングで連載開始
- 2017年6月 宝島社からコミック化
- 2017年7月 金城宗幸(原作)・藤村緋二(ART)『グラシュロス』がヤングマガジンで連載開始
- 2017年7月 サイボウズ式で縄文時代の記事が紹介される
- 2017年7月 GalaxyのCMで旧石器時代のホモサピエンスが登場
- 原始人ものゲーム「ファークライ プライマル」は2016年4月に登場済み
- 原始人TRPG「Og」も登場済み
- 新トレンド「サピエンス」まとめ
- 次回予告
2016年9月 ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』が発刊
2016年9月に河出書房出版から発刊。
ビジネス書大賞では、『ライフシフト』を抑えて大賞を受賞しています。
12月にはNHKでも紹介され、NHKクローズアップ現代でも取り上げられています。
ここまでは書籍単体の動きでしたが、近い時期に特別展が開催されています。
2016年11月 「世界遺産ラスコー展」が国立科学博物館で開催
(クロマニョン人はホモサピエンスの一種と考えられているそうです)
そして、約半年の準備期間を経て、サピエンスものが加速します。
日本が得意とするマルチメディア展開です。
2017年4月 森恒二『創世のタイガ』がイブニングで連載開始
大学生の主人公、タイガが卒業旅行先で見つけた洞窟に入ると、、、。
という導入から始まる、旧石器時代ものが始まっています。
直近の回では
どうにか生きるタイガ達が発見したのは、ネアンデルタール人に虐殺される古代の人類(ホモサピエンス)だった
と解説されています。ホモサピエンスものと考えてよさそうです。
主人公たち未来からの知恵が、ホモサピエンスの石器を高度化させたというストーリーかもしれません。
作者の森先生のTwitterアカウントはこちらです。
本家の『サピエンス全史』のコミック版も登場します。
2017年6月 宝島社からコミック化
としてコミック化されました。
あくまで読み方であってコミック版ではないところが絶妙です。
そしてホモサピエンスもののコミックがさらに登場します。
2017年7月 金城宗幸(原作)・藤村緋二(ART)『グラシュロス』がヤングマガジンで連載開始
『創世のタイガ』との違いは主人公にあります。
30000万年前に生きていたクロマニヨン人が主人公なのです。
言葉や文化をどう描いていくのか楽しみです。
新連載 巻頭カラー66P!! 累計555万部『神さまの言うとおり』タッグがヤンマガ降臨!! 3万年前を生きた人間(クロマニョン)を紡ぐ物語!! 『グラシュロス』(金城宗幸/藤村緋二)【週刊31号:本日発売】https://t.co/vwC5WLa77K#ヤンマガ pic.twitter.com/PRhgx9D34M
— ヤングマガジン編集部 (@magazine_young) 2017年7月2日
コミック化で広がる一方で、サピエンスと現代社会との関係づける動きも出てきました。
2017年7月 サイボウズ式で縄文時代の記事が紹介される
組織やチームをテーマとするオウンドメディア「サイボウズ式」だけあって、あくまで組織を切り口に縄文時代を掘り下げていきます。
コミック化やオウンドメディアだけでなく、さらに広がる動きがあります。
冒頭に紹介したスマートフォンGalaxyの映像です。
2017年7月 GalaxyのCMで旧石器時代のホモサピエンスが登場
Galaxy「昨日までを、超えてゆけ #3 巨獣」篇(WEB限定ロングバージョン 山﨑賢人主演テレビCM)
冒頭の30秒版ではなく、4分36秒のフルバージョンです。
ホモサピエンスが丁寧に描かれています。
なお、マルチメディア展開の鉄板であるゲーム化はすでに先行しています。
原始人ものゲーム「ファークライ プライマル」は2016年4月に登場済み
原始人TRPG「Og」も登場済み
語彙の少ない(であろう)原始人を、使う言葉を制限して再現するあたりマニアックな気配が相当します。でも楽しそうです。
新トレンド「サピエンス」まとめ
書籍『サピエンス全史』を皮切りに、テレビ番組、展示、コミック、映像、ゲームなど、ほぼ全方位に広がっているのがわかりました。
今後ありえるのは、アニメ「はじめ人間ギャートルズ」の実写化(アニメ「タイムボカン」の実写化の実績あり)、ライトノベルでのサピエンスジャンルの盛り上がり、そして
さらなる映像化、特にドラマ化まで広がるかどうか、楽しみです。
(歴史資料などの裏付けは深堀りしていません。間違っていたらすみません。)
なお、『サピエンス全史』そのものはこの著者インタビュー記事が充実しています(会員でないと途中までしか読めませんが)。
次回予告
いくつかの内容を並行して準備中です。
- UXに専門家から聞いた組織でUXを進めるための5つの質問
- まぜそばの認識を変えたもの
- 打合せ相手のミッションを知っているか?