杉山恒太郎さんの著書『アイデアの発見』を河尻亨一さんが問う!(NewsPicks BrandDesignNight)
「アイデアとは何でしょうか?」
簡単な問いこそ、実は答えづらい。
こんなときは達人に教えてもらうに限ります。
というわけで、ニュースにコメントをツッコむアプリ、Newspicksのイベント、
「NewsPicks BrandDesignNight夏の特別編
【杉山恒太郎氏 登壇】世界を変えた広告から学ぶ、クリエイティブの未来」
に参加してきました。
アイデアを考えるための金言だらけのイベントをレポートします。
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イベントの収穫は、杉山恒太郎さんの著書『アイデアの発見』(しかも、サイン入り!)と、Newspicks厳選のケータリングのお食事!
「アイデアってなんですか?」と問いかける、河尻亨一さん
河尻亨一さんといえば、雑誌「広告批評」の元編集長で、毎年のカンヌライオンズのレポート記事で知られています。
現在、翻訳に追われているなかでの登壇です。
自分の手がけている本より、杉山さんの著書をしっかりアピール!
河尻さん「どんな素晴らしいアイデアも表現(クリエイティブ)がなければ伝わらない」
Trash Isles - PLASTIC OCEAN - Cannes Lions 2018
カンヌライオンズ2018年のデザイン部門のグランプリ作品から。
海に捨てられるゴミの問題も、クリエイティブで一気に伝わり方が変わります。
トークセッション「世界を変えた広告から学ぶ、クリエイティブの未来」
河尻さんがアイデアを伝えるクリエイティブの価値を語ってから、杉山恒太郎さんが登場!
杉山さんはWikipediaのページにあるとおり、世界的な広告クリエイターです。
杉山さん「10年は見たほうがいいよ」
河尻さんが初めて杉山さんに会ったとき、カンヌライオンを見に行くことを勧められ、「10年は見た方がいいよ」とアドバイスをもらってからのご縁だそうです。
著書『アイデアの発見』は日経新聞の連載「世界を変えた広告十選」から
日経新聞、中興の祖といわれた円城寺氏によって、新聞の最終面、一般的には「ラテ欄」と呼ぶテレビとラジオの番組掲載面が、文化面に変わったそうです。
杉山さんはこの文化面で、二度の連載をされました。
- 世界を変えた広告十選(2014年)
- 新聞広告のチカラ10選(2015年)
広告関係者ばかりではなく、ビジネスパーソンから大きな反響があったそうです。
杉山さん「広告は、企業や商品に内在する価値を変容させて伝える」
世界を変えた広告は、これまでの価値を変えました。
例として挙げられたのが、フォルクスワーゲンの「Think small.」。
アメリカの当時の常識「Think Big」に対して、新しい価値観「Think small. 賢いアメリカ人」をぶつけた広告です。
杉山さん「テクノロジーは作り方を変える」
杉山さんの手がけられた広告といえば、小学館の「ピッカピカの一年生」。
ハンディカムというデジタルの撮影機材で作られた初めての広告です。
それまでのフィルムカメラによる広告とは、全く違った質感の広告が作れるだろう、と取り組まれました。
その後、初めてのデジタル広告(いまのインタラクティブ広告)にも挑まれています。
杉山さん「ここからAppleがAppleになった」
Appleのキャンペーン「Think different」が紹介されました。
Apple Think Different Original Ad 1997
このときから「Computer」の文字が消え、コンピュータも販売するが、もっと大きな定義の企業に変わりました。
「Starbucks Coffee」から「Coffee」が消え、サードプレイスを提供するStarbucksになったように。
杉山さん「何かを発明・発見しないとブランドは作れない」
河尻さん「どうやったら発見ができるのでしょうか?」
杉山さん「これまでのものに疑問を持つ。反発するわけではないが、新しいことをしようと。」
杉山さん「本物になるには、スタートは奇妙でなければならない。
奇妙になんとも言えない懐かしさが加わると、メジャーになる。」
杉山さん「何かを越えていくには、そこに対してマニアックなぐらい詳しくなければ越えられない。」
このあたり、さらっと流れましたが、金言の連続です。別の機会に詳しくお聞きしたい…。
杉山さん「知ることで自由になる」
広告クリエイティブに関わるかたが自由に発想するために、杉山さんの本をおすすめします!
世界を変えた広告が50、紹介されています。
この本を薦める理由があります。
これまでわたしはいわゆる伝統的広告代理店のかたと仕事をしてきました。
彼らのすばらしいところは、社内に過去の広告のデータベースがあり、一通りインプットされている点です。過去のクリエイティブを応用することが、自然とできるのです。
今回の本は、いわば過去の広告のなかでも、重要なものだけをごっそり紹介してます。
比較広告「Pepsi」
The Classis Coke Vs Pepsi Commercial 1995
アメリカでは定番の、コカ・コーラVSペプシの比較広告の紹介も。
杉山さん「広告は社会との関係を現すもの。日本のCMには、社会との関係性が欠けていて、リアリティがない」
この言葉、ぐさっと刺さりました…。
最後に主催者のNewspicksの山本雄生さんからごあいさつ
山本さん、貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
今後もBrandDesignNightのイベント、楽しみにしています。
参考(関連記事リスト)
カンヌライオンズ2018の紹介記事です。
www.advertimes.com日経電子版にも杉山さんの連載記事がありました
杉山さんのインタビュー記事もありました。
杉山恒太郎が語る「広告」と「クリエイティブ」の今 | クリエイターが主役のPRデジタルメディア「GOOD!CREATOR(グッド!クリエイター)」
本イベント紹介ページです。