プロフィール写真は本人に選ばせないのはなぜか?
「こっちの写真のほうがいいんだけど。」
プロフィール写真を撮り慣れているカメラマンに、職場のメンバーのプロフィール写真の撮影を頼みました。
その後、複数の写真からメンバーごとに写真を選んだのですが、本人からはネガティブな反応がありました。なかには、任せるよ!という人もいますが、一部のひとは他の写真にしてほしいと言います。
しかしその写真を見ると、どうもしっくりきません。そのひとの良さがうまく引き出せてないような気がします。
困っていると、同僚が声をかけてきました。
カメラ関連の仕事を20年以上しているベテランです。
「プロフィール写真は本人に選ばせてはいけないよ。」
彼女によれば、彼女の経験上、複数の写真からプロフィール写真を選ぶ時は、本人の意見は聞かないそうです(参考にする、というぐらいで)。
他人が選ぶプロフィール写真と、本人が選ぶプロフィール写真はまず一致しないそうです。
原因を調べてみると、ある実験結果が見つかりました。
オーストラリアのニューサウスウェルズ大学の研究によるとで、自分が好きな顔写真と、他人が好きな顔写真には大きな差があるそうです。
自分が日頃見ている自分は、鏡の中の自分です。写真とは左右逆になっています。
鏡の中の自分と似ている自分を選ぶので、他者から見るとしっくりこないのだそうです。
プロフィール写真はどちらで選ぶ?総当たり戦か勝ち抜き戦か
「2枚の写真をくらべて選んで。」
選びかたは、複数の写真を並べて、そこから一枚を選ぶのではありません。
一枚ずつ比較して、いい方を残す勝ち抜き戦で選ぶそうです。
実際にやってみると、2枚の写真を比較すると、より細かい箇所の違和感に気づきやすいのです。
- ネクタイが微妙に曲がっている
- 口元が少しひきつったような笑いになっている
- 猫背になっている
と言った違和感が2枚を比べると見つけられるのです。
というわけで、自分のプロフィール写真は、自分ではなく他人に、しかも勝ち抜き方式で選んでもらいましょう。
とは言っても、最近は盛り沢山な顔写真を撮る、いわゆる【自撮りアプリ】が人気のようです。
プロフィール写真を盛られてしまうと、いろいろトラブルが起きそうです。
何事もほどほどに。
選択をゆだねる時代へ
なぜプロフィール写真の選び方が気になったかというと、様々な選択を他者に委ねようとする流れを感じるからです。
例えば、SNSで利用するハッシュタグをAIに提案させる技術が誕生しています。
そこまでして「いいね!」を増やしても、とは思うののSNSを利用したECサイトなどには有効なソリューションかもしれません。
一方、選択(診断)する際の属人性を排除して向上しそうな分野もあります。
何を委ねて、何を自分で決めていくのか。
それこそ選択の時代になってきたのかもしれません。